ローラン・ビネ作「HHhH プラハ、1942年」は一風変わった作法の歴史小説

朝から快晴で、梅雨明けに近いのではないかと思われるほど、夏の日差しに満ちています。

4時台はまだ薄暗く、5時台はゴミを出してもおかしくないほどの明るさとなりました。

ベランダのサッシを開けても、さして外の空気が入ってこないのに、玄関アルコープへ1歩出たとたんに、気持ちの良い風に迎えられました。

今日の名古屋の天気は、小雨、最低22度、最高30度、風速1.11m/s、湿度55%、小雨?、青空に勢いのある白い雲が立ち上がっています。

ローラン・ビネ作「HHhH プラハ、1942年」を読み始め、ようやく後半に入りました。

ナチのユダヤ人大量虐殺の首謀者で責任者だったラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画をテーマとしています。

チェコ亡命政府から送り込まれた二人のパラシュート隊員の青年と彼らを助けた人々を描いています。

ナチを描いた小説の多くは、ナチが極悪非道の存在として描かれていますが、この小説でもそれは変わりません。

死刑執行人、金髪の野獣と呼ばれたハイドリヒを、常軌を逸したナチの組織の中でひたすら立身出世を求め、トップを目指した男として描いています。

小説の中に、作者ビネ自身が、頻繁に出てきます。

読者はあたかも、迷い悩みながら書き進めていく作者ビネの傍らに立って、一緒にこの小説が最終結末へ向かって進んでいくのを眺めている感があります。

千の塔を持つという古都プラハの街へは、私もコロナ禍発生の前に、初めてのヨーロッパ旅行で訪れたことがあります。

この暗殺計画が実行された街の雰囲気がとてもリアルに感じられます。

もしこの小説を読んでからプラハを訪れていたら、また当時の印象は大きく異なっていただろうと思います。

まだまだ終局まで、かなりのページを残していますが、最後まで読み通したいと思います。