伊坂幸太郎の「SOSの猿」は、日常の中に孫悟空が登場するお話

今朝は7時を大分過ぎて、慌てて起きて、ゴミ出しをしました。

このところ、朝寝坊することが多くなっています。

ゴミ袋は随分と出ていましたが、幸い誰にも会うことなく帰ってきました。

最近妻に、何を優先すべきかよく考えてと言われることが多くなりました。

簡単なこと、やり易いことから手を付けるのは、習性のようなものです。

ということで、ついつい手の出やすい小説を読む時間にしばし今を忘れる逃避ということになります。

つい最近、伊坂幸太郎の「SOSの猿」を読み終わったのですが、これは今までの彼の作品と較べると少し面白みに欠ける作品だったかもしれません。

メインの登場人物は、エクソシストを副業とする量販店でエアコンを売る遠藤二郎と、システムソフト会社の品質管理の仕事をしている五十嵐真、そして孫悟空です。

この組み合わせだけで、何となく面白いと感じるか、さもありなんの小説的設定と感じるかで、この小説への個人的評価は変わってしまうかもしれません。

私については、これが半々であったので、読み終わって、一つ面白みに欠けると感じたのかもしれません。

物語は、遠藤二郎と五十嵐真の話が交互に展開するので、少し混乱するのですが、最終的には一つに収斂します。

この物語のエピソードとして、ひきこもりの青年や夜のコンビニで歌うコーラスグループ、株の誤発注事件が織り込まれて、最後に一つに話が通じるのは見事です。

日常のお話の中に奇想天外な孫悟空が現れて、何でもできてしまう非日常が描かれています。

しかし、読み進んでいくうちに、なんとなく先の展開が読めてきてしまって、意外感やインパクトが薄れてしまった感があります。

伊坂幸太郎は私の好きな作家の1人なので、次を期待したいと思います。