アンソニー・ホロヴィッツの「カササギ殺人事件」は二つの物語が入れ子式になった凝ったミステリー小説

6月5日、日曜日、午前中は晴れていましたが、午後から曇りになりました。

相変わらず、風は吹いているのですが、昨日よりも少し蒸すように感じられます。

天気が悪くなると、出不精になるのですが、このところ益々その傾向が強くなっているように思います。

妻は、健康のために毎日散歩に出ていますが、3日坊主で終わってしまう私と較べてキチンとして大したものです。

マンション前の坂も楽になったと言っていますので、効果も上がって益々モチベーションが上がっているようです。

今日の名古屋の天気は、曇り、最低18度、最高27度、風速1.39m/s、湿度58%、じっとしていると、あちらこちらがギシギシ・ミシミシと動きが悪くなっていくようです。

アンソニー・ホロヴィッツの「カササギ殺人事件」を、半分と残り1/3まで読み進みました。

本作は2019年本屋大賞の翻訳小説部門で1位を受賞した作品です。

舞台は、英国の片田舎にある古い准男爵が住む館で、立て続けに起きた事件を、名探偵アティカス・ピュントが解き明かしていくストーリーが上巻の筋立てとなっています。

我々日本人には馴染のないカササギの数え歌になぞらえて上巻は書かれています。

カササギはスズメ目カラス科と、サギの音を含んでいますが、サギとは縁遠く、外観はカラスともスズメとも通じるような、なんとも奇妙な鳥です。

その数え歌とは「一羽なら悲しみ、二羽なら喜び。三羽なら娘、四羽なら息子。五羽なら銀で、六羽なら金。七羽ならそれは、明かされたことのない秘密」という、これまた一見どのような連関でつくられた数え歌なのか、英国人でしか分からないのかもしれません。

しかし上巻は、この数え歌になぞらえて、「第一部 悲しみ」「第二部 喜び(ジョイ)」「第三部 娘」「第四部 息子」「第五部 銀」「第六部 金」となっており、「第七部 明かされたことのない秘密」では、アティカス・ピュントの謎めいた言葉で終わります。

そして一転下巻になると、この「カササギ殺人事件」の作者であるアラン・コンウェイが突然自殺し、出版会社の女性編集者スーザンが欠落した後半の原稿を求めて、作者の周辺を調べて回るという、虚構の中の虚構といった入れ子式の凝った展開になっています。

アンソニー・ホロヴィッツが、構想から執筆するまでに15年かかったと言われるミステリー小説です。