石沢麻衣の「貝に続く場所にて」は、遠く離れた異郷の地で東日本大震災の記憶を辿る小説

今朝は6時に起きた時は、やはり真っ暗だったので、トイレに入ってから再び布団の中に潜り込みました。

その後、ふつふつとしばらく眠りに入られない時間の後、フッと意識が無くなり、どれだけ時間が経ったのか、目覚めて時計を見ると、大幅に時間が過ぎていました。

飛び起きて、洗面所に飛び込むと妻が洗濯をしていました。

急いで服を付けて、ゴミ袋を下げ外へ出ると、しばらく見たことがないくらいにいくつものゴミ袋が積み上がっていました。

その山を見て、改めてマンションにこれだけの人が住んでいるのだと、当たり前のことが今さらのように思われました。

玄関にゴミ袋の置いてあるのを見ましたが、幸い誰にも合わずに戻ってきました。

各戸とも、自分の出す時間を決めているのかもしれません。

名古屋の今日は、曇り、最低3度、最高10度、風速0.56m/s、湿度47%、昼時、太陽の光が降り注いでよく晴れています。

石沢麻衣の「貝に続く場所にて」は2021年の芥川賞受賞作品です。

偶然、図書館で借りることができて、私はまだ別の本が読み終わっていなかったので、先に妻に読むことを勧めましたがスルーされました。

確かにパラパラめくって、ページの中の文字を拾うと、何やら比喩が多そうで気軽に読み難そうです。

じっくり読み込まないと、表現の難解さから、情景を思い浮かべ、物語の世界観に入っていくのが難しい小説と思います。

全151ページのさほど厚くないハードブックですが、文字を丹念に追っていくことを求めているような内容で、読み進めるのに随分と時間が掛かったように思います。

ストーリーは、主人公が住むドイツの学園都市ゲッティンゲンに、9年前の東日本大震災で津波に押し流され亡くなった友人が幽霊になって訪れ、「惑星の小路」を巡る間に、震災の記憶が重ねられ語られていくという展開になっています。

読後感は、更に時間が経ち反芻しないと、上手く定まらない感じがします。

恐らく東日本大震災を実際に肌で経験した人は、この小説の世界観により同期しやすのかもしれません。