ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」は少し寂しい後味を残す小説

7月24日、日曜日、朝は6時から1時間ごとに目が覚めていました。

歳を取ると、眠りが浅くなり、よく眠れなくなるということを、実体験しているようです。

天気が良くても、コロナの第7波が第6波の2倍の勢いで蔓延していることもあり、あまり外へでることは憚れます。

名古屋市のコロナ感染者は、5,004人と凄まじい勢いで増え、500人に1人、一人の感染者の周りには感染させたスプレッダーの存在を考えれば、通りすがりの250人の中に必ず1人のコロナ感染者がいるくらいの危ない頻度なのかもしれません。

今日の名古屋は、曇り所により晴れ、最低26度、最高32度、風速1.11m/s、湿度53%、とうとう7月も終盤、来週は8月に突入します。

美味しいものは先に延ばせない性分で、ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」という小説を、途中で止められず先へ先へと読み進んでいます。

32歳の精薄者、チャーリー・ゴードンが、ある大学の実験で脳外科手術を受けることによって、知能が飛躍的に向上しIQが天才の域に達するのですが、同様の手術を受け、賢くなったアルジャーノンと名づけられたハツカネズミが、ある日突然、退行の傾向を示し始めたことから、自分の行く末を知ってしまうというストーリーになっています。

精薄者として、周りに愛されてきたと思い込んでいたチャーリーが、知能が向上するに従って、自分が置かれていた不幸な生い立ちと、友達と思ってきた仲間が実はチャーリーを騙し、自分よりも劣った薄痴として蔑み優越感を感じるため利用されていただけだと理解するようになります。

知らなかった不幸か、知ってしまったことにより不幸に落ち込んでしまったのか、はたまた知らない不幸は不幸ではないというべきか、堂々巡りの逆説に煩悶する物語です。

少し寂しい後味を残す小説です。