高山羽根子の「首里の馬」は、静謐な孤独を感じさせる小説

今日も、朝から雨がしとしとと降っていて、少し肌寒さを感じます。

名古屋の天気は、雨、最低13度、最高18度、風速1.39m/s、湿度94%、ゴールデンウィークの初日は生憎の天気となってしまいましたが、コロナ禍中でもあり外出は出来るだけ控えるよう、警鐘があちらこちらから聞こえてきます。

あっという間の月末で、明日が4月最後となりました。

こんなに早く過ぎ去っていくのだから、随分先のように思えるワクチン接種の予定日6月3日も意外と早くやってくるのかもしれません。

しかし予定通り6月3日に接種ができたとしても、2回目は3週間後の6月24日です。

1回目まで、或いは2回目までにコロナワクチンに捕捉されてしまわないとも限りません。

高山羽根子の「首里の馬」は、静謐な孤独を感じさせる小説です。

主人公の未名子は沖縄でひとり暮らしをしている女性です。

未名子は働いていますが、とても奇妙な仕事です。

カンベ主任という男性の面接をクリアした彼女は、スタジオと呼ばれる雑居ビルの一室で、ひとりでオペレーターをしています。

外国人向けオンライン日本語教室のようなものですが、少し違います。

その内容は、遠く隔たった場所にいる人たちに、オンライン通話でクイズを出題することでした。

日本語の話せるヴァンダ、ポーラ、ギバノなど、オンラインで話をする相手とは定期的にパソコンでTV通話をします。

また人づきあいの得意ではない未名子は、中学生の頃から沖縄の歴史を集めた個人の資料館に入り浸り、ボランティアで整理を続けています。

この資料館は年老いた在野の女性郷土史家(より)さんが作ったものでした。

資料館と言っても、一般公開しているわけはなく、個人の資料を集めているというものでした。

ほとんどが紙の資料でしたが、ほかにも植物の押し花、昆虫の標本、ガラス乾板、人骨の欠片などがありました。

未名子は、順さんが収集した資料を、スマホでデジタル化してSDカードに保存していきます。

ある日、双子台風の一つ目が通り過ぎた朝、未名子の家の庭に宮古馬が迷い込み、うずくまっていました。

未名子は宮古馬を一旦は、駐在所へ届けますが、オンライン通話をしているヴァンダやギバノと話をしていて気が変わり、預けられた自然公園から、宮古馬を盗み出し、洞窟に隠します。

やがて年老いた順さんが亡くなり、資料館は取り壊されることになりす。

未名子は撮りためた膨大な画像データをある方法でアーカイブに保存することを思い立ちます。