動き回ると脳が活性化される

今日は昨日の重く垂れこめた空と、しとしと降り続ける雨に変わって、すがすがしい青空と優しいそよ風の一日となりました。

とうとう名古屋図書館が、5月21日の木曜日9時半から、臨時窓口が再開することになりました。

これでまた外へ出かける口実ができました。

家の中でじっとしていると、免疫機能が低下すると、テレビで武漢に住む中国人が語っていましたが、正にその通りです。

人は動き回るものだと、かつて亡くなった建築家の黒田紀章も語っていましたが、逆も真なりで、動かなければ人ではないとも言えるように思います。

人は動きながら、考えるというのは、よく実感されることです。

人の動物としての機能は、動くことによって活性化されます。

心は脳という器官が生化学的に活性化した結果生ずるものです。

運動が脳に与える影響について調べたいくつかの研究があります。

ハーバード大学の疫学研究者ジェニファー・ウーブによれば、70歳から81歳の女性18,766人の認知能力の関係を分析した結果、運動量の少ないグループの人に比べ(週にウオーキングで約1時間半以下)、運動量が最も多いグループの人たち(週にウォーキングで約7時間半以上)の人たちは認知機能障害のリスクが20%低くなることが示されました。

神経科学者のアーサー・クレーマーの調査によれば、60歳から79歳の人たちに、ランニングマシンで週に3回、1時間の運動を6ヶ月間継続させたあと、MRI検査をすると、前頭葉と側頭葉の皮質容量が増えたとしています。

運動によって脳血流が増えます。

脳血流とは心臓から脳へ入っていく血液量で、血液量が増えれば、血液の中に含まれる酸素や脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖もよりたくさん運ばれるので、脳は活性化されます。

運動によって様々な脳内物質(神経伝達物質)が増えてきます。

運動によって増える脳内物質は幸福感を作り出すエンドルフィン、自尊心の回復をもたらしたり活動性がアップするノルアドレナリン、意欲や前向き性格、幸福感に関係のあるドーパミンなどです。

運動によって、人は生化学的に、自身の中に幸福感を作り出すことができます。

「書を捨て街に出よう」は科学的にも正しい(本当は別の意味ですが)、動けば動くほど、人は人らしくなり、同時に幸福感も増すことでしょう。

新型コロナウィルスも確実に収束化へ向かっています。

用心しながらも、外へ向かって動き出すことによって幸福感を手に入れることができます。