伊坂幸太郎の「ラッシュライフ」

「ラッシュライフ」とは小説の中で「豊潤な人生」あるいは「飲んだくれのやけっぱち人生」と訳されています。

短編小説集ですが、それぞれが繋がって語られていきます。

最後の銀行強盗を企てた中年男と野良犬の話は、後者の訳に近いですが、前者で締めくくられるところが伊坂ワールドらしいです。

小説の中ほどにある泥棒の話の中で「飲んだくれのやけっぱち人生」と訳されているのですが、老人夫婦の強盗に、せっかく稼いだ札束を渡してしまう最後も、何か心温まるものがあります。

アイロニーを含んだ小説の筋立てが、テンポよく語られていく中で、淡いやさしさの感じられる小説でした。

ラッシュライフ /新潮社/伊坂幸太郎posted with カエレバ楽天市場Amazon

John Coltrane ジョンコルトレーン / Lush Lifeposted with カエレバ楽天市場Amazon