アニメ短編映画「与えられた時間」は暗く重い過去を負った老保安官を描いた

3月2日、火曜日、朝から雨が降っていました。

朝方、何度か目が覚め6時半頃に起きて、傘をさしゴミ出しに出ましたが、濡れた通りには人の姿は全くありません。

雨の降っている暗い朝は、皆家の中でひっそりとしているのか、寂しさを感じさせます。

戻ってきて、もう一度ベッドにもぐりこみ、やがて眠りに落ちていきました。

妻の声で起こされ、今日は随分と時間が過ぎてしまっていたことに気づきました。

昨夜観たアニメ短編映画『与えられた時間』(Borrowed Time)の余韻が残っているようでした。

2015年制作のわずか7分の作品ですが、重い過去を背負った一人の老いた男の物語です。

最初の暗く陰惨な画面が印象的です。
 
1人の老いた保安官が忘れることのできない事故現場に戻ってきます。
 
崖の縁に向かって1歩ずつ進むにつれて次々と記憶が蘇ってきます。
 
まだ若かった頃に自らが起こした過去の過ちを赦すことができず、老保安官は打ちひしがれて首を垂れます。
 
一瞬々、フラッシュバックのように蘇る映像の中で、青年だった彼は崖に落ちかけた保安官だった父親を必死に助け上げようとしています。
 
手がどうしても届かなく、とっさに父親が差し出したライフル銃の銃床を青年が握って、渾身の力を振り絞って徐々に引き上げていきます。
 
あともう少しで父親を引き上げられたそうになったその一瞬、少しずつずれていた指が偶然引き金にかかってしまい、銃弾が発射されてしまいました。
 
父親の返り血に染まった青年の信じられないという顔が静止していました。
 
崖の縁に佇んだ老保安官の暗く重い心を救ったのは、その衝撃の出来事があって以来ずっと時を止め崖の上に置き去りにされていた懐中時計でした。
 
フタの土を拭うと、若かった頃の自分と父親が一緒に映った写真がそこにありました。