かつて、うんざりするほど変わらぬ日常であった日々が、今や思い出せないほど記憶の彼方

早朝5時は真っ暗で、まだ夜の内です。

毎朝トイレに起きるのがほとんど習慣になってしまった私には、震えながら廊下を歩いている自身がまだ夢の内ではないかと疑われる冥途のような暗さです。

ほんの少し眠ったつもりが、目覚めて、白いカーテン越しに見えるきらきらした朝の光が眩しくて、半眼状態で洗面所へ急ぎます。

着替えて、ゴミ袋を下げ、外へ出ると、いつか見たような人が急いで歩いていました。

今日の天気は、快晴、最低-1度、最高7度、風速0.83m/s、湿度72%、車で外へ出たら昼近くであるにも関わらず車の外気温は5度と表示されていました。

妻に頼まれて、カーテン専門店へ車で行き、ついでにかつて会社生活を送っていた頃、頻繁に訪れていたスーパーマーケットへ寄ってきました。

カーテン専門店は妻に任せて、私は今は少し高めの食材を置くようになってしまったマーケットを散策しました。

かつて、会社で徹夜仕事の翌日、ギラギラ太陽の眩しい屋上駐車場に車を置き、ひたひたと歩いていた自身の姿を思い出します。

あの当時を思い出せば、よくぞ生き延びたと自身をほめてやりたくなります。

狭い階段を下りて、1階の店内に入り、1階入り口に近い100円ショップで、パン作りに便利そうなスケッパーとハケを見つけました。

食品売り場をぐるりと歩いていくと、いつも使っているイオンよりも、同じような食材が、ほとんど20円から50円ぐらい高いプライスが付いています。

その程度高いだけですが、毎日のことであれば、食費はかさむことになるのでしょう。

老婆が、カートを押しながら、品定めをしてゆっくり歩いていました。

この近くに住んでいるのであれば、たとえ少々高くても、わざわざバスを使ってまでして、イオンへは行かないのかもしれません。

背が高くすらりとした若い主婦が、ずらりと並んだ色鮮やかなワインの売り場を歩いている姿を見ると、やはり少々お高いマーケットなのかもしれません。

妻と合流して、マーケットの中をウロウロ歩き回り、良い運動にはなりました。

少し昔にタイムスリップしたような気分になって、次にここを訪れるのは何年後だろうと思いつつ家路に就きました。

そういえば、かつて昔、妻と結婚した当時住んでいた高蔵寺のマーケットは、一体どのようになっていたろうと思い出そうとしても全く記憶に残っていません。

当時は、高所恐怖症の私が6階に住んでいて、毎日マーケットのある方角を眺めて生活していた、うんざりするほど変わらぬ日常の日々が、今や思い出せないほど記憶の彼方です。