正月新しい一日の始まり

元旦は朝から雪雲のような重い雲で覆われていました。

創世記の第一日目のように、元日の新しい一日が始まりました。

名古屋の天気予報は、小雨一時雪、最低2度、最高6度、風速1.67m/s、湿度61%、午前中少しぱらつきました。

朝食はお雑煮と皿に盛った栗きんとん、かまぼこ、伊達巻、黒豆等々のおせち料理です。

分厚い朝刊の第一面も今年はコロナ禍に関する記事で埋められています。

テーブル上へ置かれたタブレットでニュースを見ると、やはりコロナ関連でした。

早ければ2月にも、医療関係者からコロナワクチンの接種が始まるようですが、コロナ禍の終息のため、一般への接種が急がれます。

今年は去年延期された東京オリンピックが開催される年でもあります。

世の中が、何か良い方向へ変わる予感を感じさせます。

昼頃、1階のポストへ年賀状を取りに行きました。

定年退職してから迎える5回目の正月に届く年賀状は、遠方から訪れる客人のようなものです。

来し方を振り返れば、彼らと交わったのはそんな昔のことであったかと、しばし感慨に耽ります。

これからも、次第次第に遠ざかっていく船影のように、記憶が薄らいで行くことに、一抹の寂しさがあります。

妻の年賀はがきが8枚足りなくなったので、新たに書いた年賀状を出すついでに、郵便局へ行くことにしました。

外へ出ると、灰色の空から、小雨かみぞれか分かりませんが、時折ぽつぽつと降ってくるものがあります。

風はさほどありませんが、川沿いに歩いて行くと、川面に鴨が3羽浮かんでいました。

去年の正月も見た記憶がありますが、同じつがいかどういかは分かりません。

一所懸命足を動かして泳いでいる様を、上からしばらく眺めていました。

私の住んでいる世界と同時進行で、生きるか死ぬかの波乱の一年を経て、またこの川面にたどり着いたのかもしれません。

郵便局は思ったよりも混んでいて、窓口からすごろくのように等間隔に引いた線の上に6,7人程が並んで待っていました。

並んで待っている人々には、何となく同じ仲間といった感じがあります。

足りない年賀はがきを買い求めるという、ほんのわずかの間、同じ目的を持って一方向に並んで待っています。

郵便局からの帰りは、行きよりも早く感じられます。

行く先はいつまでたっても近づきませんが、出てきた所は急速に遠ざかります。

家へ帰ってきて、再びプリンターにスイッチを入れて、買ってきたばかりの賀状面と宛先面を印刷しました。

後は、妻が一筆入れたら、再び出しに行きます。

3時過ぎに雲が切れ青空が覗いたかと思ったら、かっと見開いたような日が射し、暖かいオレンジ色につつまれました。

帰ってきてから、少し頭痛がするのが気になっています。

バッファリンを1錠飲んで治まれば良いのですが、ウィズコロナとはいつでも傍らにコロナが存在することでもあります。

あともうしばらく、コロナから逃れることができれば、ワクチン接種で安全圏に到達することが可能です。

しかし最近の第3波の状況をみていると、容赦なく、すぐ横にコロナがあることが、現実になりつつあるのかもしれません。