4月11日、火曜日、晴れてうららかな日和です。
早朝6時に起きてゴミ出しをするのも、暖かくなるととても楽になります。
一夜明けると、リフレッシュされて、路がきれいになったような気さえします。
今日の名古屋は、曇り所により晴れ、最低15度、最高23度、風速1.39m/s、湿度50%、午後から図書館へ行き、その後に地下鉄で栄へ向かい、地下街と駅構内をGmapで迷宮巡りしました。
佐藤究の直木賞受賞作の「テスカトリポカ」を読み始めました。
まだ、前半までしか読んでいません。
物語は、メキシコ北西部の町シナロアから始まります。
17歳の少女ルシアは暴力と恐怖と麻薬に支配されたシナロアに住んでいました。
国境を越えようとした兄を、町に君臨する麻薬カルテルの密売人に殺され、意を決して嘆き悲しむ父親と母親を残して南を目指し港湾都市アカプルコに辿り着きます。
町の食堂でウェートレスをして働き、同僚のペルー人ウェートレスから日本へ出稼ぎに行く話を聞きます。
ルシアは、同僚が辞めた後、せっせと金をため、とうとうパスポートを得て、日本へ向かう飛行機に搭乗することができました。
日本に着いたルシアは、東京のラブホテルの客室掃除の仕事を始めて17日後に、オーナーに勧められて、大阪へ向かい、闇カジノのバニーガールとして働き始めます。
しかしある日、警察の手入れがあって、既の所でルシアは難を逃れます。
ルシアは葉巻バーで会った、クラブを経営しているという男からもらった名刺をたよりに川崎市へ向かいます。
結局、川崎のクラブでホステスとして働き始めたルシアはその男と結婚して一緒に暮らし始めます。
しかし、その男、土方興三は暴力団幹部でした。
ルシアと、土方との間に男の子コシモが生まれます。
ルシアは、23才になっていました。
コシモは保育園にも幼稚園にも預けられず、ルシアのもとで育てられました。
コシモは、地元の小学校へ入学しますが、読み書きが全くできなかったため、授業についていけませんでした。
やがて、暴力団排除条例が施行されると土方の生活は急激に苦しくなります。
土方はルシアを殴るようになります。
ルシアは口数が減り、感情を表に出さなくなり、麻薬に手を染めるようになります。
コシモは小学生4年になった時に、不登校になります。
11歳になった頃にはすでに170㎝を超えていました。
児童公園で、不良高校生6人に絡まれ、殴られ脅されますが、公園にいた老人がコシモが土方の息子であることを告げると震えあがり、逆にコシモは中の一人を叩きのめします。
コシモは色々な品物を盗むことを覚えます。
コシモが12歳になると、さらに暴力団排除条例で締め付けられる父親の収入が減り、ある日、家へ帰ると土方とルシアが争っていました。
13歳になったコシモはすでに身長が188㎝に達し、176㎝の父親をはるかに超えていました。
コシモは土方に殴られますが、逆に突き倒します。
土方はのろのろと起き上がり、一旦外へ出ていきますが、すぐに包丁を持って戻ってきます。
父親ともみ合っているうちに、コシモは父親の喉を掴み上げ天井に叩きつけます。
こうして土方は実の息子に殺されてしまいます。
そして、麻薬の幻覚に錯乱したルシアは、見知らぬ大男に指輪を奪われると思い、畳に落ちた包丁を拾い上げコシモに振りかざします。
コシモは驚き、思わず振り払うと、ルシアは壁に叩きつけられて絶命します。
やがて、やってきた警察にコシモは逮捕され、事情聴取され、未成年であるがため、後に少年院へ送られます。
ここまでで、まだ前半の1/4です。
ここで物語の視点が変わって、舞台は再びメキシコへ戻り、麻薬カルテルの抗争の話が語られていきます。
メキシコの都市レイノサを拠点として、北東部を縄張りとしていた麻薬組織、ロス・カサソラスは、新興勢力の「ドゴ・カルテル」と激しく対立していました。
そしてある日、ロス・カサソラスは、「ドゴ・カルテル」の2機の無人機による奇襲攻撃を受けました。
その攻撃の爆撃で、ロス・カサソラスを仕切っている4人の兄弟のうち3人が家族もろとも命を失います。
3男のバルミロだけが生き残り、ドゴ・カルテルの追手から逃れます。
アメリカ国境とは反対方向の南へ向かい、コンテナ船の中へ紛れて西アフリカ、リベリアの首都モンロビアへ向かいます。
洋上の強烈な日差しがコンテナの内側を灼熱地獄に変え、バルミロは混沌の中で過去の記憶に翻弄されます。
彼の祖母リベルタがアステカの古代信仰に帰依し、孫たちにアステカの神テスカトリポカの話をしました。
リベルタの息子イシドロは、曾祖父の代から続く、銀とターコイズ(トルコ石)の輸出を生業とするカサソラ商会を父親から継ぎましたが、傲慢な経営が鉱山主の反感をかい、倒産寸前となりました。
イシドロは、その弱みにつけこまれ、麻薬カルテルから麻薬の密輸の話を持ち掛けられます。
この麻薬ビジネスに関わることによって、イシドロは巨万の富を得て、宝石、服、女、酒にまみれた日々を送るようになり、惜しげもなく金を浪費するようになります。
イシドロは麻薬カルテルに目を付けられ、惨殺されます。
リベルタは、4人の孫たちの目の前で、アステカの儀式に則り、父親の心臓を黒曜石のナイフで抉り出しました。
4人の孫たちの母親エストーヤは、夫の凄惨な死、悪魔に魅入られた4人の息子たちを見て、半狂乱のようになり、40年来仕えた家政婦とともに一人故郷へ帰っていきました。
リベルタは家財を売却し、占いで稼いで、4兄弟を養いました。
4兄弟は、成長して父親の命を奪ったカルテルに敵対する組織に入り、銃撃戦に明け暮れます。
4人はベラクルス州、タムリパス州を支配して、新たなカルテル、「ロス・カサテラス」を立ち上げました。
しかし、敵対する「ドゴ・カルテル」のたった一度の攻撃で、「ロス・カサテラス」を仕切る4人のうち3人が殺され壊滅状態になります。
一人逃れたバルミロはモンロビアから、更にケープタウンに渡り、再びインド洋をを横断してオーストラリアのパースに達します。
バルミロは、それでも立ち止まらず、オーストラリアを去り、東南アジアの混沌の中へ姿を消しました。
ここまででもまだまだ物語の中盤にさえ到達していません。