仕事始めで世間は再び動き始めている

1月4日、水曜日、お正月3ヶ日が瞬く間に過ぎ、今日4日が仕事始めという人は約40%に上るそうです。

お役所、銀行、郵便局、病院などが始まるのが1月4日ですから、生活上の不便がなくなり、まさに世間は動き出していると言えます。

私は、かつて製造業で働いていましたから、1月4日から働かないその他60%の中の一人でした。

それでも例年5日頃まで休み6日から仕事始めというパターンが多かったように思います。

興味本位で、中部地区の大企業トヨタカレンダーをネットで検索してみたところ、なんと今年の冬期休暇は1月8日の日曜日までとなっていました。

その代わり、例年25日前後の土日に合わせて始まる冬季連休が、28日まで働き29日からとなっており、お役所並みの仕事納めとなっていました。

それにしてもトヨタカレンダーでは11連休ですから、たっぷり休めるという印象を、お役所や銀行、病院で働く人々は持つかもしれません。

私が会社生活を送っていた頃は、連休に入っても、設計開発・事務部門は休日出勤して、正月ギリギリまで働いて、仕事の遅れを挽回するのが常でした。

工場の現場関係は、休み明け前日、前々日ぐらいには、休み明けの生産が上手く回るかの確認のため休日出勤していたのを覚えています。

製造業の年末連休は長いとはいっても、皆が皆フルに冬季連休一杯を休んでいたわけではありませんでした。

働き過ぎや過労死が騒がれる昨今、製造業の冬期連休の風景も大分変っているかもしれません。

中部地区は、トヨタ自動車に代表されるように、製造業が多いのですが、車のBEV化が進めば部品の半分が不要になると言われ、働けど働けど、仕事が減り、否応なく収入が減り、挙句は仕事を失うのではないかという状況が予想されています。

但し、変革期には新しい部品や設備の需要が高まるのが、過去の経緯から期待できるのも確かです。

一方、BEV化によるゲームチェンジにより、メインプレーヤーが入れ替わるのではないかとも言われています。

車の省エネ低公害化により、かつて自動車業界に君臨していたGMやフォードはトップを退き、トヨタ、フォルクスワーゲンが入れ替わりました。

そして低炭素化のため将来のBEV普及が避けられないと言われる昨今、韓国や中国が重要部品である車載電池の市場供給寡占化を通じて勢力を伸ばしています。

韓国の現代自動車が、生産販売において、GM、フォード、ステランティス、ルノー日産連合、ホンダを抜き、既に世界3位につけています。

韓国、台湾、中国に敗退した、電気・電子産業の二の舞になりかねません。

遠くで争われていることのように思われているのか、テレビやニュースなどでも、あまり取り上げられる機会が少ないように思いますが、産業の競争力が失われれば、企業の売上、利潤が減るばかりか、働く機会も失われ路頭に迷う人が巷に増え、社会が不安定化することになります。

中国製のBEVが日本で売り出される記事が時々目に入りますが、それらの車の販売に補助金として我々の払う税金が使われるのは愚の骨頂のように思われます。

日本車が中国で補助金の対象とされていない報道をみたことがありますが、日本国内での中国製品への補助金の適用は、相互主義があってしかるべきではないかと思います。

我々が何となく貧しくなっていく仕組みが見えてこないので、漫然とした不安だけが周囲に漂っています。

年年歳歳、年金や福祉が切り下げられていく要因は、働いている人々の収入が総体的に減っているためではないかと思われます。

社会全体の収益力や富が減退しているのは、グローバルでのゼロサムゲームに負け続けていることが遠因ではないかと、薄々感じることがあります。

しかし、2020年の平均年収ランキングの順位は1位アメリカ、2位アイスランド、3位ルクセンブルク、4位スイス、5位オランダ、6位デンマーク、7位ノルウェー、8位カナダ、9位オーストラリア、10位ベルギー、(19位韓国、22位日本)となっているそうです。

日本は2020年当時で既に韓国に抜かれてしまって衰退が顕著です。

ランキング10位までを見ると、ヨーロッパの小さな国々が目立ちます。

それらの国には産業支配力のある巨大企業があるとも思えませんが、一体どのようにして富を稼いでいるのでしょう。

将来のあるべく姿のヒントを与えてくれる国々なのかもしれません。

今日の名古屋は、曇り、最低1度、最高6度、風速1.39m/s、湿度72%でした。