街のあちらこちらに老人の姿が

朝から曇っていましたが、温かい一日でした。

名古屋の気温は最低6℃、最高15℃でした。

今日は妻に頼まれて、銀行を2つ回りました。

11時頃に家を出て、午後の2時近くに帰ってきました。

銀行に続く石ブロックの街路の途中で、店舗の出口近くで、体を傾けてもたれるように立っている80代か90代の老人がいました。

調子が悪いと言うのではなく、一休みといった感じで、手で店舗の軒にすがってこちらを見ていました。

黒い帽子に、黒いコートを羽織って、洒落た格好ですが、見るからによぼよぼです。

黙って通り過ぎ、振り返ってみると老人はそのまま街路をじっと眺めていました。

街のあちらこちらで、同じような老人の姿が目につくようになるのかもしれません。

銀行ではATMの前で、小さな老婆が随分長い事、通帳を出したり入れたりを繰り返し操作していました。

左隣のATMで、若い銀行の女子事務員が何か機械の操作をしています。

右隣のATMで中年の男性会社員が操作をしていましたが、終わってすぐになぜか右隣の両替機にスライド移動しました。

傍で見ると、一体何をやっているのか分からない人々の後ろ姿ばかりがある銀行での風景です。

帰りに地下鉄に乗ると、金曜日の昼時近くというのに、随分乗客がいてやっと一つ席を見つけて座りました。

少し狭いので、体を前かがみにしていましたが、右隣の白髭をはやした老人がさらに右隣との隙間を空けて座っていたのでした。

私はすぐ隣駅で降りましたが、老人は相変わらず上の空で、広告を眺めているのか、ずっとそのままの姿勢で固まったように動きませんでした。

改札に向かって歩いていくと、私の前の方を足の具合の悪い老婆がゆっくりと歩いていました。

脇を何人もの人が追い抜いていくのにも全く動ぜず、地に足を付けてゆっくりゆっくりどこまでも歩いていく姿は不自由ではあるけれども安定しています。

私も含めて、皆いつかは訪れる老いの姿ではあります。