永井紗耶子の「木挽町のあだ討ち」を半分ほど読み進めた

3月5日、水曜日、今日も朝から雨が降って、一日降り続きそうな空模様です。

昨日と同じか、少し寒さを感じる体感温度です。

今日は、午後図書館へ予約図書を受領のため外出します。

シルバーパスは2回使用、累計利用回数は8回、余裕は2×5-8=2回です。

名古屋の天気は、曇り、最低7度最高10度、風速0m/s、湿度91%。

妻も、銀行の記帳をしたいというので、一緒に家を出ることにしました。

妻とは駅前のデパートで別れ、私は図書館へ向かいました。

予約図書を受領して、館内があまりに暖かくて快適なので、閲覧室で雑誌を繰って少し時間を過ごすと、外が少し暗くなってきたので時計を見ると丁度5時でした。

駅に向かって歩くと、後ろから女子学生が私を追い越して、見る見るうちに後ろ姿が遠ざかっていきました。

自分で意識しないうちに、いよいよ老人の遅速歩きになってしまったかと、冬枯れた気分になりました。

帰りのバスで、図書館で借りてきた永井紗耶子の「木挽町のあだ討ち」を読み、半分ほどのところまで読み進めました。

本作は2023年第169回直木賞受賞作です。

晦日の雪の降る夜、芝居小屋の裏手で、赤い振袖を被き、傘を差して待ち受けていた、一人の美しい若衆・菊之助が、父親を殺めた下男の作兵衛を堂々たる真剣勝負の上、一太刀を浴びせ、みごと仇討ちを成し遂げました。

作兵衛の首級を上げた菊之助のこの見事なかたき討ちは、巷間では「木挽町のあだ討ち」と呼ばれました。

二年後、菊之助の縁者という18歳の侍が、仇討ちを目撃した木戸芸者の一八(いっぱち)を芝居茶屋に招いて、仇討ちのことを詳しく聞きたいと言います。

一八は菊之助の仇討ちの話しをしますが、侍はさらに一八のこれまでの来し方(人生)についても聞かせてくれと言います。

一八はもともと吉原で生まれた女郎の子供でした。

女郎の子に生まれて来るなら女に限ると言われる吉原では、一八はとても生きにくく、それでも幼少期は禿(かむろ)の代わりに女郎の横に座って女の子のように振舞っていました。

一八は、12歳の時に女将の口利きで太鼓持ち、男芸者と呼ばれる幇間(ほうかん)の師匠のところに弟子入りします。

しかし、座敷でのしくじりが元で、一八は師匠から自分の胸の内を捨てることになるから吉原から離れるよう勧められます。