馳星周の「少年と犬」は、人と犬の絆を描いた小説

7月14日、木曜日、5時過ぎに目覚めたときには、晴れて朝日に輝き、全ての窓を開放して回りました。

次に目覚めて起きた時は、妻がイオンで買い物をして帰ってきた直後でした。

義母は、骨折も無く、昨日は病院で精密検査を受けてから、妻と妻の妹が付き添って帰ってきたようでした。

階段ではなく、マンション自室内での転倒だったようです。幸い頭を打つこともなかったようで、現在は腰痛だけとのことです。それでも大事をとって安静を医師から指示されています。

妻は義母を心配して、午前中に買ってきたものを手に実家へ向かいました。私も午後から車で行く予定です。

今日の天気は、にわか雨、最低23度、最高29度、風速1.39m/s、湿度85%、突然空が暗くなり、妻が出て行った直後にザーザーと降り始めました。

馳星周の「少年と犬」は人と犬の絆を描いた小説です。

人の心を理解し、人に寄り添ってくれる、そんな犬の姿が物語られていきます。

第1話から第6話まで、オムニバス風に6つの話が展開されます。

主人公はシェパードと和犬の雑種犬・多聞です。

時は東北大震災の直後、まだ1歳に満たない子犬であった多聞が、5年の歳月をかけて釜石から熊本まで歩み、その途中で会った人々との出来事が紡がれています。

きれいな話ばかりではありません。

「泥棒と犬」は救い難い背景と不幸の結末のまま終わる話を、そのままに描いて、作者のノワール作家の一面を垣間見せています。

「娼婦と犬」も底辺に落ち込んでしまった女を描いています。最後に多聞を放ち、殺人を犯した女が警察に自首するであろうことがむしろ救いと感じられる話となっています。

多聞は、それらの救い難い人間にも寄り添い、一時ではあるものの、彼等の病んだ心と苦しみを癒します。