歳を取ると和的なものに嗜好が向く

今日は、昨日と打って変わって雨が降っています。

名古屋の天気は、雨、最低15℃、最高17℃、風速5m/s、湿度93%、雨ながら、図書館へ返却のため外出をしました。

歳を取ると日本的なものに嗜好が向くようになります。

アカデミー短編映画「九十九」は300年前を舞台に、森の中で道に迷った男が、ある祠で一晩を過ごし、妖怪らに遭遇する話です。

数多くの鮮やかな破れ唐傘が開かれ、壁一面に展開する様が、いかにも和嗜好です。

金を打ち鳴らしながら、小さな破れ傘を左右に振りながら、「アッチャ アッチャ」と囃しながら現れる妖怪蛙が、ひょうきんで可愛いのも、また和趣味です。

男が肩から下ろした道具箱が、からくり箱になっていて、この辺の仕掛けも心憎いばかりの懲りようです。

つぎに現れたタンスのこやしとなってしまい忘れ去られ捨てられた織物の妖怪が、ふすまに描かれた浮世絵見返り美人でした。

いずれも見事修復して、最後には、ものに取り憑く九十九神の大妖怪が出現しますが、合掌してねぎらってやると消失して、無事翌朝を迎えます。

清々しい朝の光の中で、大きなあくびをした男がふと見ると、新しい唐傘と絹織物が置いてあり、男は、その派手な織物をまとい鮮やかな色彩の唐傘をさして、青々とした緑の森をひょうきんな足取りで歩いていきます。

普段、時代物のドラマも映画も観ない私ですが、最近、和的な物に魅かれるというのは歳のせいで、最期はそこに帰巣本能のようなものが働くからでしょうか。