2月5日 土曜日、朝から雪がぱらついていました。
今日は、3回目のコロナワクチン接種をするために外出の予定でしたが、空から舞ってくる雪は、時折風に巻かれて、白い旋風のようです。
雪が少し止んだ頃に、妻とワクチンを予約しているクリニックへ出かけました。
バス停で待っていると、またひとしきり雪が降ってきて、妻が傘をさしました。
待っていると、中々やってこないバスで、実際はほんの数分だったようでしたが、吹きさらしのバス停では随分と長く感じられました。
今日の名古屋は予報では、曇り所により晴れ、最低0度、最高5度、風速1.94m/s、湿度87%、やはり今日一日は寒さが続くようです。
ようやくバスに乗ることができ、時々妻が話しかけてくるのですが、ふむふむと生返事になりがちです。
耳の悪い義父もこのような感じで義母と話をするのかなと思いながら、図書館から借りてきた分厚いハードブックを読んでいました。
地下鉄の駅に着くと、土曜日とあって若者の姿が目立ちます。
週末は特別な日で、今度の土日はどこへ出かけようと考えるのは若者の特権のようなものかもしれません。
だから週末の街はどこも若者で溢れています。
コロナ感染者が、1月からそろそろ1か月を経てピークにさきかかろうとしています。
名古屋の感染者数は、2,334人、愛知県は6,201人、感染の早かった沖縄県はピークの1,829人から昨日は709人に減ってきています。
妻と、コロナワクチン接種を受けるクリニックのある駅に降り立つと、雪は止んでいて、駅前の広い道路を、多くの車が勢いよく行き交っていました。
まばらに歩いている人々に混じって交差点を横断すると、向こう側からピンクの服をきた可愛い小さな女の子が母親に手を引かれてこちらへ歩いてきました。
交差点はいつでも、行く者、来る者、世代間が交差する場所です。
クリニックは、コンクリート打ちっぱなしの少しモダンな感じのビルの2階にありました。
ドアを開けて、少し狭い通路のような入口を通ると、左側に曲がって、待合室がありました。
部屋の壁際に長椅子と一人用の椅子が並び、既に数人が一人づつの間隔を空けて座って待っていました。
部屋の一角にある受付に、妻がスッと近づき、コロナワクチンの予約をしていたことを伝え、私と二人分の接種券を出すと、受付の女性から健康保険証の提出を求められました。
非接触温度計で額の温度を測り、窓口伝えると、あとは名前を呼ばれるまで、椅子に座って待つだけです。
区役所で接種を受けた時のように、3回も確認を受けることなく、こちらの小さなクリニックの方が簡単です。
80代くらいの背中の曲がったお婆さんが先に呼ばれて診察室に入っていきました。
ただワクチンを打つだけにしては、長いと思われる15分ぐらいして戻ってきて、カーディガンやらマフラー・コートを再び着て、チョコンと長椅子に座りました。
どうやら、ワクチンは肩に打つので、打ちやすいように診察室で、看護婦の手を借りて、コートやカーディガンを脱いでいたようです。
既に前に打ち終わった60代ぐらいの女性のところへ看護婦がやってきて異状がないか確認していました。
このクリニックでは接種後、異常が出ないか否かの確認は15分のようです。
私の隣では、80代ぐらいでキャップをかぶった痩せたお爺さんが、表紙をラミネートしたような、多分図書館で借りたと思われるハードブックを一心に読んでいました。
入口から、赤ら顔で丸顔、太っているのに、妙にジーンズの足が細い30から40代くらいの男が入ってきました。
待っている間に、普通の治療で訪れた人が、次々と窓口で会計を済ませて帰っていきます。
コロナワクチン接種は本来無料ですから、治療代を払うのかと勘違いしやすいです。
ようやく私たちの番が回ってきて、妻が最初に処置室へ呼ばれました。
先ほどのお婆さんと違って、妻はあっという間に戻ってきました。
続いて私が処置室に呼ばれて、入っていくと、大きなパソコンCRTの前に30代から40代と思われる男性医師が座っていました。
丁寧に挨拶して、打つ前に特に体調の異状がないか、前回1回目、2回目を打った時に、副反応はどうであったか聞かれました。
看護婦さんに、腕ではなくて肩を出すように言われ、カーディガンやワイシャツをずらせて、少々冬の服はたいへんではありましたが、なんとか打つ体勢になりました。
男性医師が、注射を打つときは最初はチクりとしましたが、あっという間に終わりました。
接種1,2回目と較べて、接種量が半分と聞いていますので、軽く済んだ感じではあります。
待合室で15分経つと、看護婦さんが異状がないか確認にきました。
この辺は区役所などの大会場での接種と較べると、きめ細かい対応です。
窓口で、妻が2人分の健康保険証とファイザー製ワクチン接種シールの貼られた確認用紙を返してもらって、クリニックを後にしました。
今後、4回目、5回目の接種があったら、このようなクリニックで打ってもらうのも良いかなと思いながら、再び冷たい風が吹くすさぶ路を辿って帰途に就きました。