朝から白っぽく、金曜日としては、ウィークエンドの楽しさを感じさせない平板な一日です。
台風16号は八丈島東方の海上をゆっくり北上していますが、その影響で、ここ名古屋もいつもより少し強い風が吹いています。
早朝6時過ぎにゴミを出しに行くと、どこからか人の声が聞こえるのですが、振り返ってもその姿は見えません。
幻聴かそれとも、いつも強く吹いている風のためか、上まで戻ってくると、近くの大規模修理中のマンションを覆うカバーが、パタパタ靡いていました。
今日の名古屋は、曇り所により晴れ、最低21°、最高29°、風速1.94 m/s、湿度55%、晴れ間はまだ見えませんが明日以降しばらくは晴れそうです。
カンヌ映画祭のパルムドール受賞と、アカデミー賞の作品賞を非英語作品として史上初めて受賞した韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を妻が録画したということなのでそのうち観ようと思っています。
この半地下というところに目が留まりますが、日本には無い韓国特有の事情があります。
1968年の頃、朝鮮人民軍のゲリラ部隊が朴正煕大統領を暗殺しようとソウルに潜入し、青瓦台(せいがだい)の大統領官邸を襲撃しました。
この襲撃は未遂に終わりますが、南北朝鮮の対立は激化し、事態の悪化を恐れた韓国政府は建築法を改定して、防空壕や軍事転用のためにソウルの新築建築物に地下階を造ることを義務付けました。
当初は半地下を倉庫などに利用しており、賃貸は禁止していましたが80年代の住宅危機で首都の住宅不足が深刻化しました。
これにより政府は半地下の住宅利用を合法化し、地方からの上京者が入居するようになりました。
日光が届かず薄暗く、夏には蒸し暑く、湿度が高いためにカビが発生しやすい、構造上から悪臭の温床となり、下水の音などの悪条件から家賃は安くなっています。
韓国における半地下(バンジハ、はんちか)は、下層住居として知られ、韓国における格差社会や貧困の象徴となっています。
「パラサイト 半地下の家族」はこの半地下に住む低所得の家族と上階の豪邸に住む富裕家族の格差社会を描いた映画です。
豪邸の地下で寄生(パラサイト)して暮らしている家族の物語なのですが、努力してきたが成功しない人間と格差社会の不条理も描き出しているとのことです。