4月4日、日曜日、朝から雨が降って暗い一日は心まで暗くしそうです。
名古屋の天気は、雨、最低14度、最高17度、風速1.11m/s、湿度100%、雨が降ったら本を読むのが良いというのは昔からの良き知恵です。
午後、小雨の中を図書館へ、本2冊返却と予約本2冊を受け取るために、出かけました。
雨の日は、皆外へ出たがらないのか、日曜日ではありますが、バスも空いています。
濡れた傘の置き場所が無くて、バスの中は雨水だらけで、湿気は高いのですが、気温が高くないだけマシです。
駅に着いて、雨とはいえそれなりに人通りはあります。
雨の中でも小さい子供達だけは、赤や黄色の色とりどりの傘をさして元気に動きまわっています。
図書館の中も今日は来館者が少なく、勉強している学生たちも空席が目立ちます。
今日は日曜日なので5時閉館ですが、今読んでいる冲方丁の「天地明察」があともう少しなので、空いている席を借りて読んでしまうことにしました。
『天地明察』(てんちめいさつ)は、冲方丁(うぶかた とう)による日本の時代小説です。
江戸時代前期の囲碁棋士で天文暦学者の安井算哲(渋川春海)の生涯を描いています。
第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞受賞作。第143回直木賞候補作となりました。
2012年に映画化もされているようです。
舞台は江戸時代初期、4代将軍徳川家綱治世の頃です。
時は江戸時代、4代将軍徳川家綱の治世でした。
一介の棋士(囲碁)ながら後に会津藩主にして将軍後見役保科正之に目を掛けられる安井算哲(後の渋川春海)は天文・数学にも深い興味を示す好奇心旺盛な男でした。
上覧碁(将軍の前で碁を打つ)を翌日に控えた算哲は、親しい会津藩士安藤有益から金王八幡宮に新たな和算の設問が算学奉納されていると聞きます。
算哲は居ても立ってもいられず、翌日早朝に参詣します。
そこで早速問題に取りかかろうとするのを掃除をしていたえんという若い女性に見咎められます。
登城の刻限が迫り、算哲は急いで神社を飛び出すが大事な二刀を忘れてしいます。
算哲が慌てて取りに戻ると二刀は算学奉納の絵馬の下にあり、「縁を切るつもりですか」とえんに叱られます。
ふと設問の書かれた絵馬に目をやると、算哲が先ほどまで見ていた設問に回答が記されていました。
このとき算哲は、えんの目の前で一瞥しただけで解いた人物、関孝和の事を知ります。
遅刻して登城した算哲は、その時の話の流れで、旧知の本因坊道策から真剣碁を持ちかけられますが家老に呼び出されて、道策から逃れます。
算哲は家老の酒井から「日本各地で北極星の位置を確認せよ」(北極出地)という命令を与えられます。
これは幕府の正式な事業でした。
関孝和に会いたいと考えた算哲は手がかりとなる村瀬塾という和算塾を訪ねますが、そこでえんと思いがけぬ再会を果たします。
塾長・村瀬義益は算哲に、えんのことを和算塾の家の娘だといいます。
義益が関の書いた本を見せると算哲は食事も忘れて夢中になります。
関に挑戦するため関に設問を出しますが、それは回答の無い誤問でした。
算哲は酷く恥じ入り落ち込み、和算塾で腹を切ると言い出しますが、えんに窘められます。
算哲は、1年後に北極出地から帰ってきたら、新たな設問を関に出すとえんに約束します。
くしゃくしゃになった設問の書かれた紙をえんは預かり、1年だけ待つと算哲に伝えます。
北極出地の一行は雪の舞い散る中、江戸を出立します。
気のいい上役の建部伝内、伊藤重孝に気に入られた算哲は小田原での観測において二人が歩測と方角を元にした計算から角度を割り出し競っていることを知らされ、この競争に参加することになります。
熱田での観測において算哲は完璧な解答を出して建部、伊藤を驚かせます。
幼少期から高名な山崎闇斎に師事して北極星を観察してきた算哲はそのことを語り、算術については独学で学んだと語る一方で関の本の写しを二人に見せます。
すると建部、伊藤共に夢中になり、関に弟子入りしたいと言い出します。
出地一行が宿泊まりをしていると小者の弥吉が月が欠けている(月食)と知らせます。
だが、当時国内で使われていた暦を確認してもその日の月食について予見したものはありませんでした。
建部と伊藤は日本国内のすべての暦の元となっているのは800年前の唐から伝わった宣明暦であり、年月を経てズレが生じているのだと指摘します。
だが、暦の変更(改暦)については朝廷が拒み続けてきたと算哲に説明します。
北極出地は予定通り進まず、行程には大幅な遅れが生じます。
そして旅の最中、年配の建部は健康を害してしまいます。
病床にて建部は天の理を解き明かし我が二腕にて抱いて三途の川を渡りたいという大望を語ります。
出地一行と銚子で落ち合う約束していた建部でしたが身罷ってしまいます。
算哲は建部の遺志を継ぐことを誓います。
ようやく北極出地を終え、設問を手に村瀬塾を訪ねた算哲だったがえんは既に嫁いでしまっていました。
藩邸にいた算哲は水戸光圀に呼び出されます。
北極出地について語った算哲は暦のズレが2日にもなろうとしていることを報告します。
正之に呼び出された算哲は改暦事業の責任者に任じられます。
正之から光圀、酒井、建部、伊藤、恩師・闇斎からの推挙があったことを聞きます。
「天を相手に真剣勝負を見せよ」という正之から命じられます。
こうして幕府の威信をかけた一大事業が始まります。
だが、暦を巡る戦いは熾烈を極め、算哲は幾度となく苦境に立たされます。