アニメ短編映画「つみきのいえ」は老人の人生の追憶を淡々と描いた名作

2月に入って既に5日金曜日、今日は朝から天気が良く晴れていました。

ゴミ出しに7時に起きて、外に出ると思ったほどに寒くなく、風もないので、足取りも自然と軽くなります。

植栽を切った葉のつまった大きな袋が一つネットの下に入っていましたが、私の住むマンションで昨日剪定が入った連絡の記憶がありません。

ゴミ収集で回収されるだろうから、まあ良いのですが、昨日は袋の裂けた不燃ごみが置いてありましたし、最近誰かが無断でごみを置いていく形跡があります。

戻ってきて、再び布団に入り寝てしまうと、しばらくして妻が起きてガタゴト動き回っている音がしますが、それも次第に遠くへフェードアウトしていきます。

次に妻の声で目が覚めた時には、カッと明るい陽を感じましたが、しばらく布団の中でじっとしていて、おもむろにかけ布団をはねのけました。

昨夜観たアニメ「つみきのいえ」の映像シーンが頭の中に浮かんでは消えてを繰り返していました。

「つみきのいえ」は、2008年制作の日本のアニメショートムービーです。

地球温暖化で、海に沈みつつある街で、積木を積み上げたかのような家に暮らす一人の老人の追憶を淡々と描いています。

荒いタッチの画面が、最初はチラチラ見辛く感じさせるのですが、老人の遠い思い出に対する感傷を強調する効果があります。

台詞は全く無く、映像とBGMのみが、時の経過とともに流れていきます。

ぽつねんと海面から突き出した家に住む老人の姿は、世間という海原の中にぽつねんと存在する定年退職者の姿に心情的に通じるところがあります。

ある日、老人はお気に入りのパイプを海中へと落とし、それを拾うためダイビングスーツを着込んで、積み木の家を、下へ下へと潜っていきます。

海中の下の家に行くほどに残されたベッド、ゆりかご、ワイングラスを見て、老人はかつてを回想します。

妻の死、娘の誕生、成長と結婚、妻とともに送った明るく楽しい日々が走馬灯のように巡ります。

最後のシーン、夜の海に浮かんだ家にともる光の中で、老人が2つ並べた小さなワイングラスに何ともいえないやるせなさを感じます。