ある煌めいた夏の日に

今日は日曜日、外はセミの声が騒がしく、リビングから廊下へ、そよと風が通り過ぎていきました。

午後から、返却する小説があったので、図書館へ出かけました。

外へ出ると、容赦なく降り注ぐ陽光に、遠景は霞み、気が遠くなりそうです。

図書館へ着くと、家族連れが多く、ザワザワしています。

大きな帽子ばかりが目立つ双子の女の子が、本を読んでいて、かまって欲しいのか小さな男の子がその間を行ったり来たりしている仕草がとても可愛らしい光景です。

日曜日のためか、親子連れが目立ちます。

コロナウィルス騒ぎがなければ、図書館は、世のファミリーにとっても、出かけるのに良い場所かもしれません。

妻の読んでいた小説を、一旦返却して、書棚に戻るのを待って、妻がまだ読みかけ途中のため、私のカードで再度借りてきました。

図書館を裏口から出ると、溢れんばかりの緑と草いきれで、クラクラしそうです。

草木の領域を出て、ふと見上げると、ビルの一面に、陽が強くあたり、青い空を背景にして、いつかどこかで見た懐かしさを感じさせます。

ふんわりと香しいパン屋さんの前で、母子2組が立ち話をしていると、小学生くらいの痩せて髪の長い女の子が、つま先立ちで、くるっと1回転しました。

母子のいる光景は、生命力に溢れています。

平和で穏やかな街の景色は、心を穏やかにします。

かつて、今日この日に、夏の陽はどこまでも煌めき、人びとが空をあおいだ次の一瞬、目を射る閃光と熱射が走り、多くの生命が失われました。

今日は、長崎に、原爆が投下された日です。