今日は朝から快晴で、青い空に刷毛で引いたような薄い雲がいつまでも留まっていました。
最低気温3℃、最高気温11℃、予報では時々曇りがあるものの、1週間はこのような天気が続くようです。
今日は妻が昼頃に病院に行く予定があったために、車の運転手として病院へ付き合うことにしました。
入り口の広い待合室から、廊下を歩いて、売店やモニターが並んでいる部屋等を通り過ぎ、6畳程度の狭い待合室で待つことにしました。
狭い待合室にも壁に薄型テレビが取り付けられていて、新型コロナウィルスの報道がエンドレスでながれています。
妻の名前が呼ばれ、入替で老婆一人が待合室に入ってきました。
待合室には、もう一人中年の女性がいましたが、しばらくして老婆とその女性が話をし始めました。
女性の特性かもしれませんが、見ず知らずの相手でも、すぐに声をかけて、まるで旧知の相手同士のように親しく話ができるようです。
男同士ではこうはいけません。
多分、むっつりして、よほどのことが無い限り、気楽に声を掛け合うことなどあり得ません。
老婆は血液検査があったと話していましたが、お弁当を食べ始めました。
話は聞くともなく、聞こえてくるものですが、老婆が80歳を超えているというのを聞いて驚きました。
妻の実母は88歳で、歩行が大分不自由になってしまいましたが、目の前の老婆は随分と元気で、床に手洗いの水が散ったといって、屈んでティッシュで拭き始めました。
私は持ってきた小説を読んでいて、いつの間にかうつらうつらしてきましたが、二人の話がいつ果てることなく続いているのを、まるでTVから流れてくる音のように聞いていました。
中年の女性が名前を呼ばれたらしく、出て行ったのと入れ替わりに、妻が帰ってきました。
幸い妻にこれと言った変化も無く、安心して心が軽くなった気分で、来た廊下を逆に辿って、入り口ロビーに戻ってきました。
天井が高く広々としたロビーは、解放感がある反面少し寒さを感じさせます。
会計が終わるまで、長椅子に座ってしばらく待ち、外へ出てくると、明るい日差しが暖かく感じられました。
入院していて退院する人にとって、今日の天気は実に晴れやかで嬉しいものだろうと思いながら、再び車のシートにおさまりました。
ゆっくりと車を動かして、少しだけ病院を振り返り、門のところで車を止めて、メインの道路へ車を振り出しました。
家へ着いたのは、午後の2時半を過ぎていました。