平成25年の統計データでは、熱中症で亡くなった人のうち65歳以上の割合が全体の70%以上を占めているという結果になっています。
高齢者の熱中症は自宅内での発症率が40%前後と高い数字になっています。
高齢になると、発汗や皮膚表面における放熱等の体温調節機能の働きが低下するだけでなく、暑さ自体を感じにくくなっていたりするので、体感温度だけでなく、温度計や湿度計を身近な場所に置き、暑さを客観的に判断できるようにしておくのがおすすめです。
高齢者は食事の摂取量が少ない傾向にあり、また、体内の水分量が減少している上、のどの渇きを感じにくいのが特徴で、給水のタイミングが遅れがちになり、脱水症状になりやすいと言われています。
一般的に、 温度28℃・湿度60%から70%を超えると、熱中症の危険性が高まるといわれています。
夜の間にかかる熱中症を「夜間熱中症」という言いますが、夜間熱中症で亡くなる方は随分いるようです。
寝ている間は7時間から8時間もの間、水分を取らないので、脱水症になりがちです。
睡眠中に汗を多くかくことで、体の中の水分、塩分などのミネラル分が多く失われることで体が脱水状態になるのが夜間熱中症の原因のようです。
熱中症の気になる時期には、体を冷やさないように、少しぬるめのお湯を飲んでから布団に入るのに加えて、枕元にスポーツドリンクの入ったペットボトルなどを置くのがお勧めです。
お茶やアルコールには利尿作用があり、身体の中の水分を外に出してしまうため、水分の補給に適していません。
また、汗には塩分(ナトリウム)などの電解質(イオン)が多く含まれているため、水だけ補給しても熱中症の予防にはなりません。0.1%~0.2%の食塩水やイオン飲料がお勧めです。
熱中症患者にお年寄りが多いのは、蒸し暑い日でも冷房を使わずに我慢してしまうからと考えられます。
気温が25℃以上の熱帯夜は、自動で切れるタイマー設定にせず、やや設定温度が高くてもいいので冷房をきちんとつけたまま寝るのが良いです。
熱中症の症状で頭痛がすることがありますが、熱中症の時に頭痛薬を飲むのは危険です。
脱水状態時に解熱鎮痛剤を服用すると、低血圧になったり痙攣を起こす危険があります。
頭痛は熱中症の中でも「熱疲労(中度)」の症状に分類されます。
熱中症の頭痛を治すには、頭の脱水状態を解消する必要があるので、とにかく水分と塩分を補給する必要があります。