胃カメラの予約のために病院へ

 

とうとう今日から東海地方も梅雨入りしました。

平年よりも2、3日遅れとなりました。

今朝のゴミ出しも6時起きで、このところ1時間遅れです。

昨夜マンションの若夫婦が出した、大きな金属製パイプラックが傍に横たわっていました。

見ると組み立て式のパイプラックなので、ばらして出せば、小さくなって回収する方も楽なのにと思いましたが、面倒だったのか、大型ごみとして回収してもらうことをねらったのか、よく分かりません。

2度寝して朝の食事後、胃カメラの予約のために病院の内科へ出かけることにしました。

面倒なことは早く済ませておいた方が、煩わしい思いをする時間を短くすることができます。

少し小雨がぱらつく中を、バスが来るのをしばらく待ちました。

何処へ行くにも車を使っていた頃と違って、この待つという空虚感がとても長く感じられます。

それが嫌で、皆スマホを開くのかもしれません。

バスの中、駅の構内、そこで待つ人々のスタイルは片手にスマホで、見入るシルエットが皆同じです。

地下鉄の駅から地上へ出ると、見覚えがある病院の無料送迎車が止まっていました。

小さな2ボックスのトヨタパッソは、最近多いトヨタジャパンタクシーと同じくらい背が高くて、中は広いです。

中の作りはチープですが、実用的には車はこれで充分ではないかと納得させられます。

数分後に、広々とした後ろのシートに私一人を乗せて、車は走り出しました。

広さは快適さを感じさせる基本要件です。

ワンボックスに馴れると、他の小さな車に乗れなくなるというのはよく分かります。

病院へ到着して、受付で内科で胃カメラの予約のため訪れた旨を伝え、受診票をもらうのにしばらく待ちました。

内科の受診窓口に受診票を出してから、また随分と待たされました。

チューブに繋がれ車椅子の乗った小さな老人たちが、行き交います。

さほど離れていないのに、かつての職場の同僚か、大きな声で老人たちが声を交わし、これから車で帰ると、杖をつきながらゆっくり歩いていきます。

多分、私よりあちらの世界に近い、現世と来世のはざまに漂う老人たちが集う社交場のような雰囲気があります。

ようやく1時間も経った頃に、名前を呼ばれて診察室に入りました。

パソコンの前に座っていたのが、茶髪のギャルのような若い女医で、診察室の内と外に世界の落差に驚きます。

目にも止まらぬ速さで、パソコンを打ち続け、普通に私に質問を投げかけ、私の記録を画面で確かめながら、胃カメラの説明をします。

どうしようもないくらい優秀な女性です。

胃カメラの予約は、特定検診の日時と時間的に調整することが難しいので、別の日に予約することになり、結局予定は来週となりました。

診察室を出ると、もうほとんど、待合室は人が居ません。

送迎車も午前中に、運行を終了していました。

小雨が降っていたので、傘をさして駅へ向かってとぼとぼと歩き始めました。

今のマンションへ引っ越す前には、この病院の界隈は私の日常風景でした。

駅ができる数年前に、ここから20分ほどのマンションから引っ越したので、日々変わっていくこの街は、今では見知らぬ遠くの風景と変わらなくなってしまいました。

駅前のロータリーは平日とあってがらんとしており、淡い昔の原風景のようでした。

自分が一体ここで何をしているのかと訝しく感じられ、とても奇妙な気分に陥りました。