車で初めての事故の記憶

今日は車で妻の実家に行きました。

妻は先に電車で名古屋に寄って実家に行ったので、午後4時過ぎに1人で出ることにしました。

いつもの路なのに、見知らぬところを走っているような、心もとない気分になるのが不思議です。

暑く焼けた道にはかげろうが立っているようでした。

昔私がまだ若くて、免許を取ったばかりの頃、初めての夏休みにレンタカーを借りて旅に出たことがありました。

車を走らせるのが楽しくて、ただ走っていさえすればよかったのでした。

暗くなる頃に着いた見知らぬ街で、空いている宿に泊まって、朝起きたら行けるところまで車を走らせる旅でした。

残念ながら、途中で事故を起こしてフロントバンパーを少し破損してしまったので、旅は中断して帰ることにしました。

丁度見通しの悪い田舎道のT字路で、一台の車が止まっていました。

少し上り坂を登って、ゆっくりと車の横を抜けて少し前へ出たところで、バンと大きな音がありました。

左からまっすぐ走ってきたバンの側面に私のフロントバンパーが接触して、相手の側面に派手なキズを負わせました。

その時は相手になんとか謝罪して、レンタカー会社に帰って来てから、事故の状況を説明し、撮った事故フィルムを渡して、後の処理を頼みました。

初めて加害者となった事故で、帰ってきてから内心びくびくでしたが、その後被害者からも、レンタカー会社からも連絡が無くて上手く治まったようでした。

車で見知らぬ地を移動することは、常に事故のリスクをはらんでいることを、身に染みて味わった苦い体験でした。

その後、一番最初に買った日産のサニークーペに乗って、長期の休みがある度に田舎へ一人で帰りましたが、いつも勝手知ったる道以外は走りませんでした。

その頃、一人で車を走らせて旅をすることは、乾いた心もとない、少し薄汚い感じがしていたのは、その時の事故が負に作用していたのかもしれません。

結婚して以来、車で遠出をするときは、いつも妻が助手席に座っているので、そのような感覚になることは無いのですが、時々一人で走っている時に、ふと何処か遠くの地を、心もとなくひたすら走り続けている錯覚に囚われることがあります。